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   【 資本的支出の減価償却 】
   (2013年1月 更新)

   「資本的支出」の減価償却方法は、
   原則、既存の本体資産(資本的支出を行った資産)と同じ種類の資産を、新たに取得したものと見
   なし、既存の本体資産とは全く別の資産として減価償却を行います。
   (※ 固定資産台帳も別々で登録して管理を行います。
      つまり・・・ これら資本的支出の額も、ひとつの 「固定資産 (減価償却資産)」として扱います)

   例えば・・・、
   減価償却中の帳簿価額200万円の普通自動車に、50万円の「資本的支出」を行った場合、
   帳簿価額200万円の普通自動車は、何もなかったかの如くそのままで減価償却を続け、50万円の
   「資本的支出」は新たな資産と見なし、支出を行った既存の資産(普通自動車)と同じ種類・耐用年
   数
を用いて減価償却を行う事になります。


      【 仕訳例 】 
        事業用車両(普通自動車)に、50万円の資本的支出を行った。
借方 金額 貸方 金額 摘要
 車両運搬具 500.000  現金 500.000  資本的支出

        事業用車両(普通自動車)に 80万円の修理費用を支払い、
        内、50万円が資本的支出に該当する支払いだった。
借方 金額 貸方 金額 摘要
 車両運搬具 500.000  現金 800.000  資本的支出
 修繕費 300.000   -  
         ※ 80万円の支払時に全額を「修繕費」として計上しておき、12月31日の決算仕訳で、
          資本的支出の50万円を 「修繕費」から「車両運搬具」へ振り替え処理する事も可能です。
          (借方・「車両運搬具」 / 貸方・「修繕費」)


       ※ その他、台帳などの記載例は、
         http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/tebiki2007/pdf/32.pdf (国税庁HP)
         こちら ↑ もご参照下さい(PDFファイル)。 ページ中央に記載例が掲載されています。


      【 減価償却例 】
        上記例の資本的支出(50万円)を6月10日に行った場合(耐用年数5年)。

       ・当期の減価償却費(定額法
         500,000円 × 0.2 × 7/12 = 58,333円

借方 金額 貸方 金額
 減価償却費 58.333  車両運搬具 58.333

       ・次期以降(2年目〜5年目)の減価償却費
         500,000円 × 0.2 × 12/12 = 100,000円

借方 金額 貸方 金額
 減価償却費 100.000  車両運搬具 100.000

       ・6年目の減価償却費
         残りの 41,667円
         (固定資産の減価償却では、最終的に資産の存在を残すという意味で、備忘価額(残存
         価額)を1円だけ残すようにしますが、資本的支出の場合には母体(本体)となる固定資
         産が存在しますので、資本的支出の減価償却では「1円」の備忘価額は残さなくても良
         いはず・・・(私の個人談))

借方 金額 貸方 金額
 減価償却費 41.667  車両運搬具 41667

         「資本的支出」という言葉を難しく考えずに、
         減価償却資産がひとつ増えた!  ・・・と考えて、減価償却をしましょう〜 ^^)/


      
      母体(本体)となる固定資産の減価償却は、償却中に資本的支出があっても、償却方法
      や価額などの変更・処理は一切何も行いません

      本体の資産は、今まで通りの減価償却を続けて下さい

      
      ※ 注意 ※
      平成19年4月1日以降に行った資本的支出は、原則 「定額法」「定率法」での減価償却
      になります。

      資本的支出を行った母体(本体)資産の減価償却方法が 「旧定額法」「旧定率法」であっ
      ても、平成19年4月1日以降に行った資本的支出は全て、「定額法」「定率法」 によって
      減価償却を行います(特例を除く)。

        ※ 参考 ・・・ 
http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/joho-zeikaishaku/
shotoku/shinkoku/070412/pdf/2-12.pdf
  PDFファイル
             (国税庁HPより)
             ページ内の 「設例」 は 「定率法」 になっていますが、
              考え方は、基本、「定額法」も同じとお考え下さい (
原則部分を参照)。

      それと〜 もともと中古資産であって、かつ減価償却されていた資産に対する資本的支
      出に関しましては、その資本的支出の額によっては・・・ 耐用年数などに規制? ある可
      能性もありますので、、、

      もし、その資本的支出が 中古資産に対してのモノであるならば〜 一応念のため、所轄
      の税務署窓口などでご相談されます事を オススメしておきます m(_ _)m
      (※ 法人税法では、その資本的支出の額が、支出先となる中古資産の 「新品再取得
         価額 (もし同じモノを新品で買った場合の価額)」の50%超となる場合には、中古
         資産の耐用年数が変更されてしまうような制度があり・・・

         ただ、私が調べる中では、それらと同様の制度は、所得税法では見られないものの〜
         また所得税法におきましても、フィーリング的に、それら近似するような何かの存在
         を感じますもので。。。)

      (※ 尚、中古資産の取得と同時に行った資本的支出は〜
          こちらをご参考までに 「⇒ 改良や改装を加えた中古資産の減価償却など」)


      
       Q. 資本的支出が30万円未満の場合、「少額減価償却資産の特例」は適用可能ですか?
       A. 資本的支出の額は適用外です。

      【 売却・徐却 】
        資本的支出の減価償却中に、母体(本体)となる固定資産を売却・徐却した場合にはどう
        なるのでしょうか・・・。

        母体(本体)の固定資産と合算して処理します。
        売却・徐却による帳簿価額 損益も合算して仕訳をしましょう〜 ^^)/

        
        「原則」の減価償却では、本体資産と資本的支出は全くの別管理になってしまいますので、
        本体資産の売却・徐却時に、付随する資本的支出の処理も忘れないように、関連させた
        管理が出来るようなシステムを考えておきましょう〜 ^^


   < 特例 >
   平成19年3月31日以前に取得した資産に対する資本的支出は、「特例」として、母体(本体)の減
   価償却資産の取得価額に加算処理(合算処理)する事も出来ます。
   つまり、母体(本体)と資本的支出を合わせて、ひとつの減価償却資産として取扱う事が可能です。

   但し、
   特例を適用して資本的支出の償却処理を行った場合には、以後の事業年度において、「原則」に従
   った償却方法へ変更する事は出来ません。

    
    ※ 注意 ※
    「特例」を適用して資本的支出の減価償却を行う場合には、資本的支出を行った当期においては
    支出日による月割処理が必要になりますので、実質的に合算処理になるのは、次期の減価償却
    費の処理からになります。

    【 資本的支出を行った当期においての減価償却処理 (例)
     ※ 耐用年数5年・定額法の資産(200万円)へ、6月において資本的支出(50万円)を行った場合。
     (資本的支出)        500,000円 × 0.2 × 7/12 = 58,333円
     (資産の本体)        2,000,000円 × 0.2 × 12/12 = 400,000円
       当期においての減価償却費 = 458,333円

    【 次期においての減価償却処理 】
     (資本的支出 + 本体)   2、500,000円 × 0.2 = 500,000円
       当期においての減価償却費 = 500,000円

    ちなみに、
    「旧定額法」「旧定率法」による 5%相当額の5年均等償却中に資本的支出を行った場合には・・・、

    母体(本体)の帳簿価額と資本的支出の額を合算した帳簿価額が、その減価償却資産全体の取
    得価額(資産本体と資本的支出の取得価額の合計)の5%相当額を超えるのであれば、5年の均
    等償却は適用せず、今まで行ってきた減価償却と同じ償却方法を用いて(旧定額法や旧定率法)
    合算償却し、合算した帳簿価額が減価償却資産全体の取得価額の 5%相当額に達した事業年
    度の翌年から、5年均等償却を適用します。


   
   『 ちょっと予備知識
   その他、定率法採用による その他 「特例」 などもあるのですが、
   (※ 定率法を採用している場合にのみ適用可能な、資本的支出に関する特例)

   私も含め、SOHO系の事業者で定率法を採用している方が少ないようですし、原則」での減価償
   却の方がお得
なようなので(原則の方が償却額が多くなるので)、ここでの「特例」についての説明
   は、以下省略させて頂きます ^^

       ※ 念のため・・・、その他の「特例」については、
         http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/2107.htm (国税庁HP)
         こちら ↑ をご参照下さい ^^

  
  尚、当該 「定率法」採用限定の特例に関しましては、
  平成23年度の 税制改正 にて (施行は平成24年4月1日)、定率法の償却率等の見直し等により〜
  合わせ、特例の適用範囲が限定されるなどしておりますので、予め、かつ念のためご留意願います。


   < 一言 >
   資本的支出の帳簿処理は、資産本体の状態によっても変わります。
   減価償却中の資産の一部を取り壊して資本的支出を行った場合など、帳簿の仕訳や減価償却が複
   雑化する事もありますので、明らかに単純な資本的支出以外は、最寄の税務相談等へ一度相談さ
   れる事をオススメします ^^)/ 

   http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kihon/shotoku/01.htm
   http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/shotoku/01.htm
   またこれら ↑↑↑ も参考までに (国税庁HPより抜粋)。



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