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期首商品棚卸高

読み方

きしゅしょうひんたなおろしだか。

概要・該当する主な対象

前期(前年度)末の棚卸で在庫として残っていた商品を、当期へ繰越すための勘定科目。 (前期末の「期末商品棚卸高」の価額がそのまま繰り越されます

 
 前年度末時点で売れ残った商品は、前年度中に費用(原価計上)にはなっておりません。 商品は、売れて初めて仕入れた額が費用になりますから(原価計上できます)。 なので、そんな前年度における費用にならなかった仕入額分を、当期へ繰り越すために使われる勘定科目が ここで言う 「期首商品棚卸高」。 また前年度に立てた期末商品棚卸高を当期へ繰り越すために使われる勘定科目とも。

注意点

・「期首商品棚卸高」は決算仕訳です ^o^)/  ちなみに月次決算をされている場合などでは、当期初月(1月)の月末1回のみ 「期首商品棚卸高」を用いる事となるでしょう(前期在庫を翌期へ繰り越して、なお、以降は期末商品棚卸高を毎月見直すような形での月次決算となるでしょう。 → 月末に期末商品棚卸高を立て、翌月に逆仕訳をし繰越させ、また月末に期末商品棚卸高を立てる〜 みたいな。 → 最終的には、年度末の期末商品棚卸高だけが残る(こちらも決算仕訳に)。 みたいな)

 
 【 1月
 期商品棚卸高 / 商品
 商品 / 期末商品棚卸高

 【 2月
 期末商品棚卸高 / 商品 (逆仕訳
 商品 / 期末商品棚卸高

  :

 【 12月
 期末商品棚卸高 / 商品 (逆仕訳)
 商品 / 期末商品棚卸高 (→ そのまま決算仕訳) 

・類似する勘定科目で「期首製品棚卸高」という科目がありますが、基本的な扱いは「期首商品棚卸高」と同じです。 「商品」は販売する為に仕入れた物品ですが、「製品」は販売する為に製造した物品の事です。

 商品・製品の棚卸について詳しくは、、 「商品・製品(棚卸資産)
 ※ なお、棚卸し作業と 当該棚卸高の数値は、必ずしもイコールではありません。 棚卸高は12/31時点での在庫。 しかし棚卸しで算出される額はその実施日時点での数字。 またこれら混同されないようにも細心のご注意を。

消費税の課税取扱い(区分) 

対象外。

但し、免税事業者(前期)から課税事業者に変わった当期において、免税時に仕入れていた商品に対応する 「期首商品棚卸高」は、決算において消費税分を計上する事が出来ます。 (つまりその棚卸高を税込として取り扱い出来る- というわけ) https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6491.htm(国税庁HP参照)

※ なお、過去に課税事業者時代があり、その時の在庫がまだ余剰しているような場合には、こういったケースは所轄の税務相談窓口へお問合せ下さい。 場合によっては複雑化する可能性もあり、しかし当方ではそこまで把握しきっておりませんので・・ また現行の消費税率と異なる税率時代のものがある場合には、各当時適用された消費税率にて計上されてください。 それと、簡易課税制度選択者に限ってはこれら適用はないでしょう。

仕訳例(仕分け例)

当期末において、前期(前年度)末に売れ残っていた商品在庫(期末商品棚卸高)を当期へ繰越処理します。

借方 貸方 摘要
期首商品棚卸高 120,000円 商品 120,000円 前期在庫品の繰り越し

以上参考までに。
(※ なお、これら仕訳例、及び勘定科目各概要は主に個人事業者を対象としたものとお考え下さい(一応当サイトでは、法人仕訳等には触れておりません)。 また上記例は一般的なごく一例です。 それと消費税に関しては税込経理としての仕訳としております)


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