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(2009年1月18日)

青色専従者給与による節税バランス/効果比較

 配偶者や家族と一緒に事業を切り盛りされていれば、配偶者や家族に支払った給与は経費となり、ひとつの家庭で考えると大きな節税になる。

 それが「青色専従者給与」。

 ご存知の方も多いかと存知ますが、

 では、一番節税効果の高い専従者給与の額はいくらなのでしょうか・・・?
節税点の「8万円」が一番節税出来るのでしょうか?
実は・・・

 青色専従者給与 = 「8万円」 といった方程式が1人歩きをしている状態ですが、
ちょっと シミュレーションをしてみました ^^

 事業主(ご主人)の事業所得(課税所得)が年500万円の場合、配偶者に支払う青色専従者給与の額でどのくらいの税金が節税できるのでしょうか \(^^)ノ (2009年1月時点での税法適用、及び試算となっております)

<<本頁INDEX>>

  • 1. パターンその1。 青色専従者給与なし(ゼロ)
  • 2. パターンその2。 専従者給与、定番の8万円
  • 3. パターンその3。 専従者に住民税が発生
  • 4. パターンその4。 専従者に所得税が発生
  • 5. パターンその5。 専従者給与、月額15万円
  • 6. まとめ

所得配分パターンその1。 専従者給与なし

 事業所得 500万円、青色専従者給与 0円

  (事業主明細)
--------------------
  配偶者控除 38万円
  給料経費
  給与控除
  基礎控除  38万円
--------------------
  課税所得 424万円

  所得税  420,500
  住民税  430,500
  国民健康保険  482,245(※1
-------------------------
  総合計税額 1,333,235

 【※1 国民健康保険の保険額】
民税の所得割り・・・住民税総額ー4000×60%
基本保険料(2人分) 83,031+ 所得割 民税所得割額 156/100

で計算。
(なお国民健康保険の保険額は、所轄の市区町村で異なります。ちなみに私の計算例は住民税額から算出するタイプです)
(以下も計算式は統一)

所得配分パターンその2。 専従者給与月額8万円

 事業所得 500万円、青色専従者給与 960,000円(8万円×12)

  (事業主明細)       / (配偶者明細)
-------------------------------------
  配偶者控除    0           
  給料経費 960,000      
  給与控除             650,000
  基礎控除  38万円       38万円
-------------------------------------
  課税所得 360万円           0

  所得税  304,500           0
  住民税  372,500           0
  保険   427,947 (国民健康保険 2人分)
-------------------------------------
  総合計税額   1,104,947

所得配分パターンその3。 専従者、住民税が発生

 事業所得 500万円、青色専従者給与 1,020,000円(85000×12)

  (事業主明細)       / (配偶者明細)
-------------------------------------
  配偶者控除            
  給料経費 1,020,000     
  給与控除             650,000
  基礎控除  38万円       38万円
-------------------------------------
  課税所得 360万円        0

  所得税  292,500
  住民税  366,500        6000
  保険   427,947 (国民健康保険 2人分)
-------------------------------------
  総合計税額   1,092,947
(※ 住民税の非課税限度額35万円を超え基礎控除も33万円なので、配偶者にも住民税がかかる)

 住民税の非課税限度額35万円、かつ基礎控除額が33万円の場合。 なお住民税は地方税ですので、お住まいの地域によって変動する可能性あり(この辺りはお住まいの所轄役所などにてのご確認を)。

所得配分パターンその4。 専従者、所得税が発生

 事業所得 500万円、青色専従者給与 120万円(10万円×12)

  (事業主明細)       / (配偶者明細)
-------------------------------------
  配偶者控除            
  給料経費 1,200,000     
  給与控除             650,000
  基礎控除  38万円       38万円
-------------------------------------
  課税所得 342万円       17万円

  所得税 256,500        8,500
  住民税 348,500       23,500
  保険  427,479 (国民健康保険 2人分)
-------------------------------------
  総合計税額   1,064,479

所得配分パターンその5。 月額15万円の給与

 事業所得 500万円、青色専従者給与 180万円(15万円×12)

  (事業主明細)       / (配偶者明細)
-------------------------------------
  配偶者控除            
  給料経費 1,800,000     
  給与控除             650,000
  基礎控除  38万円       38万円
-------------------------------------
  課税所得 282万円       77万円

  所得税 184,500       38,500
  住民税 288,500       76,500
  保険  420,927 (国民健康保険 2人分)
-------------------------------------
  総合計税額   1,008,927

まとめ

 一般論では、
専従者へ支払う給与の額は 「8万円」までなら、専従者に「所得税」「住民税」が課税されないのでお得! 節税になる! さらに、支払った給与の額は事業主の必要経費となるので事業主の税額も減って節税になる。 ・・・という事だったのですが、

 結論を言えば、
「8万円」を超えて支払って、専従者に「所得税」「住民税」が課税されようとも、、 一家庭で考えると結果的には節税になる事もある。

 です。

 専従者にもう少し給料を・・・と考えていても、96万円までしか節税にならない・・・と、勘違いされている方!
大丈夫ですよ〜 ^^
これで、仕事の対価に見合った給料でもOKですね ^^

 ちなみに・・・
上記例の場合では、
専従者給与は約280万円が節税の限界。
それ以上支払うと、逆に税金が増える事になる。

 それと少々余談までに・・・
事業所得が300万円くらいの場合は、
専従者に年間96万円を超えて給与を支払っても、一家庭での節税効果はほぼ同じになります。
(※ 96万円以上支払っても、ほとんど節税効果はない。)
(※ 給与を96万円支払っても、200万円支払っても、一家庭でのトータルの税額はどちらの場合も約49万円)

 税額シミュレーションって奥が深いですよね〜。

 なお、もっともっと色々と税額シミュレーションをしたい方は!
「vector」などでフリーソフトがダウンロード出来ますので 是非ともお試しを ^-^)ノ

 以上参考などまでに。

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