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    前払金・前払費用
    (まえばらいきん・まえばらいひよう)

   前払金は「前渡金」とも言いますが、言葉が違うだけで意味合いは全く同じです。
    ※ 一般的に、「前渡金」という勘定科目が広く使われていますが、「やよいの青色申告」では「前払金」
       になっているので、当サイトでも「前払金」として解説しています。


   しかし、「前払金」と「前払費用」では帳簿上の扱いが違いますので、お金を先に支払う取引
   があった場合には十分注意しておきましょう〜 ^^)/
   (2008年11月 更新)


   【 前払金と前払費用の違い 】
   「前払金」と「前払費用」・・・、
   勘定科目も同じ流動資産に属し、どちらも「先払い、前払い」という意味があります。

   「先払い、前払い」には色々な物がありますよね〜。
   家賃や駐車場代は翌月分の前払いが基本ですし、保険や保証も前払い、商品を買うときに支
   払う手付金も前払いです。

   ザザ〜ッと考えてみても、サービスの対価で支払われているお金もあれば、物品の購入に先
   立って支払われたお金もあります。翌月1ヶ月分だけの支払いもあれば、年単位の長期に渡
   るサービスへ支払われるお金もありますよね〜。

   うーーー。
   これだけでは、何を基準に振り分けていいのかスッキリです。 あ、いや、サッパリです。

   それでは発表致します!  ←(いきなり何を?)


   【 前払費用 】
   一定の契約によって、継続的に役務の提供を受ける為に支払った費用の内、当期中の決算
   までに提供を受けられなかった役務に対する費用(対価)の事です。
   (※ 支払行為が無い場合には、それは前払費用でもなんでもありません

   なんじゃそりゃ。 意味分からんわ〜。
   ・・・という事で、もう少し噛み砕いて補足しておきます ^^

   『役務の提供』というのは、有償で行われるサービスの事を言います。
   情報提供や清掃クリーニング、保険や保証料などが該当しますよね〜。
   ネットビジネスであれば、ドメインやレンタルサーバー費用も該当するはずです。

   ・・・で、

   『一定の契約』&『継続的に』 という所が溝です。 あ、いや、ミソです。  ←(しつこい)

   『一定の契約』&『継続的に』・・・という事は、契約に従い、もしくは契約期間中にず〜っと継続
   的に、かつ同じサービスの提供が行われるものであって、その時だけ、一瞬だけのサービス
   は含まれない
という事です。
   (※ 但し、ここで言う継続性とは、その後の継続性までの広義な意味まではありませんか
      ら、いわゆる 「今回だけでも、毎日かつ複数日間に渡って同じサービスを均等に・・・ 
      であれば」という意味合いで取られても問題はないかと思われます


     ・10年間の損害保険 ⇒ 「含まれる」
     ・年払い、又は月払いの自動車保険 ⇒ 「含まれる」
     ・毎月支払う家賃 ⇒ 「含まれる」
     ・一定期間だけで契約される広告宣伝費 ⇒ 「含まれる」
       (但し、その広告宣伝費の内容によっては、含まれないとされる場合も有り (ただ
        その場合は、その費用化 (必要経費への算入の仕方)の基準もやや難しくなる
        ので、所轄の税務署などでご相談を。。。))

     ・来年に行ってもらう事務所のクリーニング清掃費 ⇒ 「含まれない
     ・ワンデー・インシュアランス (いわゆる1日保険) ⇒ 「含まれない
       (継続性がないので)
     ・契約あるが、断続的に提供される広告宣伝費 ⇒ 「含まれない
       (サービス内容が毎日同じでないので〜 継続性あるとは言えず、またそういった
        費用に関しましては、前払金として資産計上後、そのサービスが行われる都度に
        断続的に費用化するなどの会計処理が必要とされるでしょう (CM放映日に、そ
        の相当分だけ必要経費に算入するとか))
     ・雑誌や新聞など、物品の定期購入品 ⇒ 「含まれない
       (継続性はあってもサービス「役務の提供」に該当しないので)

   そして、『当期中の決算までに提供を受けられなかった役務に対する費用(対価)』は、
   例えば、1年以上の契約で加入した保険で、当期中のサービス分(補償)を除いた次期以降
   に提供を受けられる予定の役務(補償)に対する費用(対価)の事です。

     

   図で説明した方が簡単ですね〜  く(^o^A"
   もし、保険期間が18ヶ月で、保険料が18,000円、契約日が7月1日だとしたら・・・、
   (※ 保険始期日も7月1日)

   18ヶ月分の保険料は18,000円、1ヶ月当たりに換算すると月額1,000円。
   契約日が7月1日なので、当期中に役務の提供を受けられる対価は、7月、8月、9月、10月、
   11月、12月 ・・・の6ヶ月分! 6,000円!
   この6,000円は当期の必要経費となるので、損害保険料として必要経費へ・・・。

   そして、次期以降の12か月分の保険料〜 12,000円!
   そうです! これが「前払費用」なんです!
   (※ 前払費用として一旦資産計上されるので、その分は 当期の必要経費になりません)

借方 金額 貸方 金額
 損害保険料 6.000  現金 18.000
 前払費用 12.000   -

   尚、支払日が保険始期日よりも前であったなら〜 その支払日に上記仕訳を行いますが、
   ただ、前払費用の額などの計算は・・・ 保険始期日よりの計算となります事に ご留意下さい

   (※ 保険始期日 = 保険 (補償)という役務の提供が始まる日)

   また、支払日とは〜 あくまで現金による支払いが行われた場合だけでなく、
   その対価とされるモノの発生 (クレジットカードを切ったとか)があった場合でも、その日を支
   払日とします。

     追記参考 ・・・ 「前払費用の定義・仕訳(別窓)
       (※ その他 仕訳例なども)

     ----------------------------------------------------------
    ※ やよいの青色申告には「前払費用」の勘定科目がありませんので、
       「編集」 → 「科目設定」 → 流動資産の部の「他流動資産」欄で右クリック → 「勘定
       科目の作成」 で、新規作成します。
     ------------------------------------------------------------------------
   
   当期から3年目(翌々年度・次期の翌年度)以降に提供されるサービスの対価は、「前払費用」
   ではなく「長期前払費用」として取扱います。

     ※ 詳しくは次のページにて。


   < 「前払費用」を計上した後は・・・ >
   当期で「前払費用」へ計上したサービスの対価は、次期(翌年度)においては「前払費用」とは
   なりませんから、次期の期首(1月1日)の仕訳で・・・、

借方 金額 貸方 金額
 損害保険料 12.000  前払費用 12.000

   前年度に「前払費用」として計上していた資産 (保険料など)を、
   経費へと振り替える (必要経費となる勘定科目へ振り替える)処理が必要です。


   
   支払った日から保険の契約期間が始まらなくても、次期(翌年度)から保険契約が始まる費用
   についても「前払費用」でOKです。

   「前払費用」は経過勘定の科目なので、役務の提供が期末において開始されない契約は「前
   払金」として処理する・・・という意見もありますが、どちらの場合でも税金の誤差は生じません
   ので、私は「前払費用」として処理します ^^


   前払金
   商品の仕入れに伴う 「手付金」や 「申込金」、

   継続性の無いサービス (その日、その当日だけのいわゆる単発一瞬的なサービス。 例え
   ば〜 ホテルの宿泊費とか)、
   (※ 但し、支払った時点で 役務の提供が始まるサービスは前払金の扱いにはなりません)

   備品や資産など、そもそもサービスなどに該当しないであろうモノに 前もって事前に支払う
   料金・費用の事を言います。

   「前払費用」とは全く違う意味をもっている勘定科目です。

   まあもっとも簡単に言うならば、
   上記 「前払費用」のグループ? に当てはまらない前払い分を 「前払金」とも。
   (※ 但し、前払金の取扱いは〜 思っているより限定的であったりもしますので、
      それら詳しい概要などにつきましては・・・ 「⇒ 前払金」 ←こちらを m(_ _)m)

   前払金には「前払費用」のような年度基準はなく、商品やサービスに対して前もって事前に支
   払った時点で「⇒ 前払金」の勘定科目を用います。

             ・手付金(内金)を払って、販売商品の取り寄せ注文をしました。
借方 金額 貸方 金額
 前払金 10.000  現金 10.000

             ・注文していた商品が入りました(残りは現金で支払い)。
借方 金額 貸方 金額
 仕入高 50.000  前払金 10.000
  -  現金 40.000

   
   Q. もし、商品代金を全額前払いした場合には、支払日に経費計上してもいいですか?
   A. 「NO」。 税法上では、事前に商品代金やサービス料金を支払っていても、支払った費
      用を経費に算入出来るのは、実際に商品の引渡しやサービスが行われた日になります。

      必ず 「前払金」を立ててください。

      (※ 尚、追記までに・・・
         前払金は資産の勘定科目なので、支払った時点では仕入高や必要経費などに
         ならず、振り替えた時点 (商品などを受け取った時点)ではじめて〜 経費などに
         なる事にもご留意ください)

      ( 前払金、前払費用・勘定項目表 )
勘定科目 摘要
 前払費用
 (流動資産)
 損害保険(自動車保険など)、保証料、サポートサービス、
 ドメイン・レンタルサーバー代長期契約の家賃(
※1)など・・・
 前払金
 (流動資産)
 仕入れに伴う手付金・申込金・予約金・内金、
 継続性のない契約、
前払費用に含まれない先払い金・・・


   
   『 ちょっと予備知識
   ちなみに、未完成の固定資産など、これから制作される建物や機械に支払った手付金や申込
   金は、固定資産に属する「建物仮勘定」という勘定科目を用います。
   制作中の大規模なソフトウェアに支払った申込金などは、無形固定資産に「ソフトウェア仮勘
   定」を作って仕訳をすればいいかもしれません(私の個人的な意見ですが・・・)。



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