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    前払金・前払費用
    (まえばらいきん・まえばらいひよう)

   「前払費用」については、何となく理解して頂けたと思います ^^
   前ページで「長期」! と来たので、
   このページは「短期」の話で盛り上がっていきましょう〜 ^^)/   ←(異様な盛り上がり)
   (2008年11月 更新)


   【 短期前払費用の特例 】
   サービス(役務の提供)の対価を支払ったその日から、1年以内に役務の提供を受けられる
   前払費用を「短期の前払費用」と言います。 (「短期前払費用」も同じ)

        

   契約期間が1年間の保険料を6月1日に支払ったならば、次期(翌年)の1月1日から5月31
   日までの補償期間の対価が「短期の前払費用」となります。

   
   Q. この「短期の前払費用」には、何か特別な取扱いがあるのですか?
   A. ないっちゃ〜ないが、あるっちゃ〜ある!
      (通訳 : 無いと言えば無いが、有ると言えば有る)  ・・・なんや、この回答は・・・。

      つまり、特別な扱いをしようとすれば特別扱いが出来ますし、特別な扱いをしたくなけ
      れば通常の「前払費用」のままで「OK」なんです。

      この、「特別な取扱い」の事を「短期前払費用の特例」と言い、使い方によっては仕訳
      が簡単に済ませられて、節税のオマケまで付いて来ちゃう とても魅力的な「特例」なん
      ですよ〜  \(^o^)/

      ほほ〜!
      まるで、カモがネギを背負って鍋の中で寝ているような特例ですな〜。

      ・・・という事で、具体的な 「特例具合」 を説明しておきます ^^
      (※ まあとは言っても、厳密に言えば・・・ 扱いは絶対的自由ではありません
         尚、それら厳密なところに関しましては〜 後程にて。。。)


   < 特例 >
   な・な・な・な・なんと〜!  ←(めっちゃコテコテ)
   「短期の前払費用」は、役務提供の対価を支払った日に、支払った対価の全額を必要経費
   算入する事も出来るのです!

   契約期間が1年間の保険料を6月1日に支払った場合、
   通常の「前払費用」の扱いであれば、当期の決算において、次期に提供される役務の対価
   (翌年の1月1日〜5月31日までの役務の対価)を「前払費用」として資産計上する必要があ
   るのですが・・・、
             こんな感じ ↓ (まあ一例です。 【⇒ その他パターン例】)
             いわゆる 「正規の簿記」による仕訳とも。
借方 金額 貸方 金額
 損害保険料 7.000  現金 12.000
 前払費用 5.000   -
               ※ 月額が1,000円の保険料として計算。

   もし、「短期前払費用の特例」を適用するのであれば、次期に提供される役務の対価も全て、
   支払日の必要経費として認められるのです!

             こんな感じで「OK」になる ↓
借方 金額 貸方 金額
 損害保険料 12.000  現金 12.000

   もちろんその後〜
   決算時における 「前払費用」へ振り替える仕訳なんてのも必要ありません ^-^)ノ

   単月 (or 1年分づつ)で支払っている家賃とか、
   (※ 家賃はそもそも〜 常に翌月分の前払い という特徴がありますので、
      もし、12月の末に支払われた翌1月分の家賃であるならば〜
      原則的には、その12月に支払われた家賃は、当期においては 「前払費用」として処
      理する必要があるのですが・・・

      しかしこの 「短期前払費用の特例」を適用する事により〜
      そういった繰り越し処理も必要ない・・・ というわけ ^^ 【⇒ 仕訳例】)

   また・・・ 自動車保険など、1年更新の損害保険などが適用できますね〜 ^^
   (※ 最近の自動車保険は、契約始期の月末に口座引き落とし・・・という所が多いので、
      ほとんどの場合が適用出来そうです。
      但し、口座引き落としが翌月などになる契約などでは、その翌月が翌年1月であれば〜
      翌年の必要経費となってしまいますので、これら予めご注意のほどを (経費計上のタイ
      ミングは、契約日ではなく 「支払日」ですから。。。))

     参考までに・・・ (国税庁HP・資料 「所得税法」)
      http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kihon/shotoku/05/09.htm
      37−30の2、「短期の前払費用」を参照。


     但し!
   これら特例を適用するためには〜 また その適用が認められるためには〜
   「短期の前払費用」としての条件が満たされていることは最低限であることと、

   (※ つまり、短期の前払費用なら何でも特例が適用出来る・・・ というわけではありません)

   かつ、その費用が 色々な適用条件に適合していてはじめて〜 適用する事の出来る特例
   すので、一応念のため。。。


     【 適用条件その1、 短期の前払費用である事

   もう一度!
  サービス(役務の提供)の対価を支払ったその日から、1年以内に役務の提供を
  受けられる前払費用を「短期の前払費用」と言います。

   主に 「1年以内」・・・ という所がポイントとなろうかと。

   ちなみに〜
   以下のような場合には「短期の前払費用」にはなりませんので、「特例」の対象外となります。
   十二分に注意しておきましょう〜 ^^

    ・サービスの対価を支払った日が6月1日で、契約期間が6月1日〜翌年の6月31日
     (※ 1年以内に、役務の提供の全てが完了しない契約は対象外です)

    ・サービスの対価を支払った日が5月1日で、契約期間が6月1日〜翌年の5月31日。
     (※ 支払った日から1年以内が条件です。保険料の前払いには要注意)

    ・2年の契約期間があり、支払日から1年以内に役務の提供を受けられる対価を「短期の
     前払費用」とし、1年を超える対価を「前払費用」として記帳処理。
     (※ 支払日から、役務提供の終了までが1年以内の契約のみが対象です)

   また、一年以内うんぬんの前に。。。

    ・そもそも 「前払費用」の対象条件は、「一定の契約に従って、継続的に・・・」 というのが
     条件ですから〜 今まで月払いにしていた家賃などを、契約の更新を行わずにいきなり
     年払いで支払った場合には 「短期の前払費用」とは言えず、また 特例も適用する事は
     出来ないでしょう。

     ちなみに・・・ もし、月払いの「前払費用」を年払い等へ変更したいと考える場合には、
     今まで「月払い」だった一定の契約条件を、「年払い」へ条件を改める「再契約」や「契約
     の更新」等が必要
となりますので、予めご熟知頂きたく思います。
     (※ 但し、それら動きが 大きな節税目的など・・・ 故意性の高いものであって、
        (↑ 更新時期じゃないのに更新するなど・・・ 故意的すぎる節税とか)

        なおかつ税務署側から見ても 「重要性の高い」モノとして取り扱われてしまう場合
        には、こういった更新あっても、それら特例が認められない可能性もあるでしょう。
        (↑ これら重要性とか故意性とかに関しましては〜 まあ後程。。。))

    ・もちろん! 前払いでなければ〜 前払費用にも短期の前払費用にもなりませんので、
     当然〜 その特例を受ける費用は 実際に対価が支払われている費用 (カード決済
     可)に限られますが。。。
     (※ 今期からなんとしてでも経費算入したいので、「契約したその日に〜 前払費
        用をツケで処理・・・」とか、意味不明な会計処理は絶対に不可  A^-^;)

        尚、クルマの購入時に同時加入契約する自動車保険とか、その費用の取扱いが
        やや複雑となろう場合には〜 > こちら をご参考までに)

    ・また、もっともっと前提的に、「前払費用」に相当する費用でなければ〜 対象となりませ
     んので、その契約期間がいくら1年以内だとしても、その費用が前払費用とならないので
     あれば・・・ それら費用も これら特例の適用を受ける事が出来ないでしょう。
     (※ 例えば、一定の契約期間こそあるものの〜 そのサービスの提供は 期間中か
        なり断片的であるもの等 (断続的なCM広告費など))


     【 適用条件その2、 一貫性を厳守出来るもの。 厳守する事

   「短期前払費用の特例」を適用した場合 (する場合)には〜
   もちろん! 今後の記帳に一貫性・継続性を持たせなければいけません。
   (※ ここは簿記の基礎中の基礎、基本中の基本ですからね・・・)

   例えば・・・
   家賃を年払いへ契約更新し、向こう1年分の家賃を一括して支払い、全額を当期の必要経費
   へ計上した場合には、次期以降の家賃も一定して年払いを継続しなければいけません。

   「前年度は景気が良かったので1年分を前払いして節税。今年は大きな買物をしてしまって資
   金不足なので、契約の更新をして月払いに戻そう〜。」
   ・・・というのはダメ! いけません! なりません! あきません! です。
   (↑ これらは、大いに 「一貫性の原則」に反する会計なので〜 そもそも簿記・会計処理と
      して 問答無用にダメですね。。。)

   ちなみに〜 もし、どうしても経営上 継続性が保てそうにない場合には・・・
   その場合には、その点は 「事業上とても重要性高い部分」として見られようかと思われ、
   どんな理由あっても、「正規の簿記」による会計処理だけは徹底しなければならないでしょう。
   (↑ 尚、ここでも出てきましたが〜 これら重要性とかに関しましては また後程。。。)


     【 適用条件その3、 許容範囲と重要性の原則

特例適用の許容範囲について

え〜 これまでは、短期前払費用の特例についての・・・
「原則的」な方向・見解から解説させて頂いてきましたが、

ただこれら特例も、ある意味 「経理処理負担の軽減」のための一策でして、これら特例の概要から一歩でも! 要件を踏み外してしまうと〜 これら短期前払費用の特例の適用を受ける事が出来ないのか!? ・・・と、言いますと、

そこはかなりのグレーゾーン。
適所適材、かつ柔軟に対応されている事実があるということも〜 現実。


例えば・・・

契約期間が平成24年1月1日〜 翌年の平成25年1月1日までとか、
契約期間が1日だけ、1年を超えてしまうような場合 (支払日は1月1日)。

この場合、本来 原則的な見解から見ると〜
ここで言う 「短期前払費用の特例」の適用を受ける事が出来ませんが、

ただ現実下におきましては、税務署自体、これらある程度の許容の目で柔軟に見ているそうで、短期前払費用の特例を適用されていても、何ら問題にならない事もあったり、


また、支払日の焦点につきましても、
契約期間が平成24年1月1日〜 平成24年12月31日までで、
ただ、その契約に関する費用を 平成23年12月末に支払った場合。

この場合も、本来 原則的な見解から見ると〜
ここで言う 「短期前払費用の特例」の適用を受ける事が出来ませんが、

ただ現実下におきましては、税務署自体、これらもある程度の許容の目で柔軟に見ているそうで、短期前払費用の特例を適用されていても、何ら問題にならない事も多々あるようです。

(※ 実際、家賃なんかは、そもそも〜
   基本、契約期間の前払い (前月の末日払い)が一般的ですし、

   またその他、保険料などをクレジットカードで支払う場合などでは、保険会社や
   保険契約などの性質上、その保険の保険始期日より前に、指定のクレジットカー
   ドから決済処理される事も多く、

   ちなみに この場合、私が税務署窓口へ直接たずねたところ・・・

   例えば、平成24年11月1日からの1年契約の保険料 (自動車保険)を、
   その保険契約の条件上〜 平成24年10月の初旬頃に決済処理された場合、
   その10月の決済処理時に、その1年分の保険料を 一括経費化しても問題ない
   との回答が返ってきました。

   (↑ つまり、短期前払費用の特例を適用してもOK! と)

   また、そのクレジットカードでの支払い概要は、
   平成24年10月の初旬頃に決済処理され、また決済分の口座からの引き落とし
   日は 翌年平成25年の1月末なんですが・・・

   この場合、その一括経費として計上するタイミングは、会計原則 「一貫性」さえ
   厳守していれば〜 平成24年10月の決済日でも、平成25年1月の引き落とし
   日のどちらでも、問題ないとの回答まで付いてきました)


但し!!!

こういった許容の目、柔軟な目がある一方で、
逆に、特例の適用に適さない見解で迫られるパターンもあるそうで。。。

(※ つまり、これら短期前払費用の特例の適用において、
   グレーゾーンも踏むことなく、規定や条件、概要や注意点をしっかりと熟知し厳守
   し適用していても、その適用を 「否定・否認」されてしまう場合もある! という事)

その根拠が〜

これら短期前払費用の特例自体、
「企業会計原則」による・・・
重要性の原則」に基づいて 税務上でも認められた特例であるという事。


(※ 重要性の原則 = 重要性の乏しいモノであれば・・・
   本来の厳密・正式な方法などによる会計処理でなくとも、簡易的な方法などによ
   る会計処理でもOK。。。 といった、例外的な会計処理を認める原則。

   ちなみに〜 企業会計原則は法律ではありませんが、現在日本における会計基
   準・ルールの大変重要な 「規範」でもある存在で、ただ、それら基準は〜 必ずし
   も 税務上で認められるとは限らないようですが。。。)

つまり・・・

その特例の適用内容・部分が、その個人事業主の実務上 (経理処理や営業上など)において 大変重要な部分と考えられる場合においては〜

それら特例の適用は出来ない。 適用対象外。。。 という事。

ちなみに・・・ その 「大変重要な部分と考えられる部分」につきましては、
まあそうですね。。。 営業取引き上によるものは当然だとして、後は・・・
(※ 営業上、直接売上げや仕入れに反映)

金額的な面や収益とのバランス!?
その他、その費用の実質的な性質など・・・・・・・ ごにょごにょ△*□%○#・・・・・・

う〜ん。 まあはっきりと言いまして、ここらへんは あまりにも正確なライン引きがなく、中途半端感バリバリっ てな感じゾーンとでも言っておきましょうか。
コレ! といった正確なラインをピンポイントで解説する事は不可能です。
※ 一応参考までに・・・
   ⇒ 「企業会計原則・重要性の原則における 「重要性の乏しいもの」とは?」

まあつまり〜
税務署から見て 「OK! 許容範囲」とされるモノであれば ”OK” で、
税務署から見て 「NG! 認めない」とされるものであれば ”NG” なわけで・・・

上様の 「○○次第」的な要素も少なからず。。。
(※ 例えば、まあかなり大げさに言うなれば・・・
   全く同じサービス料だとしても、A社ではOKで、B社ではNG・・・ なんて事も、

   また、判断する側の税務署職員によっても、
   A税務署の職員BさんはOKと思っても、C税務署のDさんはNGと判断する・・・ な
   んて事も、可能性としては十分ある話だという事です)

てな具合なんですがね。。。


というわけで!?

まあつまりは、この 「短期前払費用の特例」という実務自体、その実態を正確にとらえる事は難しく〜 「優しい柔軟な目」がある一方で、「厳しい冷静な目」も持ち合わせておりますので、またその判断を素人目で判断する事も非常に難しい事などから、

もし、これら特例の適用をこれから・・・ と 検討されている場合におきましては、
先ずは、最寄、又は所轄の税務署窓口などでご相談されておかれます事を〜
オススメしておきますね
 ^^

(※ 「短期前払費用の特例」は、
   年間のサービス (役務の提供)の費用を一括経費化出来る 節税性高い面があ
   る一方で (節税性につきましては後程)、ただ、もしその一括経費化が否認され
   てしまったなら・・・ 後から 巨額? な修正申告の可能性さえ考えられる 「大きな
   リスク」的な面をも持ち合わせておりますので。。。)


   < 節税効果のほどは? >
   この「短期前払費用の特約」を上手に使いこなせば、当期において必要経費となる費用が多く
   なりますので、節税対策としても大きなメリットがあるはずです。

   例えば・・・、
   月々1万円の月払いにしていた損害保険料を、当期6月の契約更新で年払いにすると・・・。

   当期の1月〜5月までの月払い分と、6月に支払う1年分の前払費用が全て必要経費と認め
   られますので、5万円 + 12万円 = 17万円 の保険料が、当期の必要経費へ算入できる
   のです!   \(^u^

   もし、6月の契約更新で、今まで通りの月払いを続行していた場合には、当期に必要経費とな
   る保険料は12ヶ月分の12万円でしたから、5万円の必要経費の差額が「節税」へ繋がった
   わけですね〜 ^^

   新規の契約においても同じ事が言えます。
   6月に保険の新規契約を行った場合、月払い契約であれば「7ヶ月分」、年払い契約であれば
   「12ヶ月分」の保険料を当期の必要経費へ計上出来るわけですから、
   誰が何と言おうが 「節税効果あり!」 です  \(^v^)/

   但し!

   短期前払費用の節税効果は、一括で前払いをした「当期」のみ有効な手段ですから、
   業績が向上しそうな年度のために、「ココ一発の節税ウエポン」として温存しておく方が節税
   効果がより高くなるでしょう。

   業績がイマイチの時に 「ココ一発の節税ウエポン」 を使ってしまうと、翌年から一括の前払い
   がキツくなって資金不足・・・なんて事も。

   「特例」のご利用は計画的に ^^)/

   



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