経理・会計の基本とも言うべき簿記が「複式簿記」。また65万円の青色申告特別控除を受けようとする青色申告を目指す方にとっても絶対に避けては通れない道です。
※ 尚、この複式簿記の事を「正規の簿記の原則」と呼ぶ場合もありますが、その「正規の簿記」につきましては〜
⇒ 後程にて。。
※ それと一応・・・ 単式簿記でも青色申告は可能ですが、ただ単式簿記では青色申告最大の節税メリット「
65万円の青色申告特別控除」は受けられません。(但し、まあどちらにしても〜 青色申告を行う場合には事前に届出や申請をするなどして税務署に承認されなければいけませんので、予めご注意を)
※ ちなみに、65万円の青色申告特別控除は、、ここで言う「複式簿記」を採用されており、かつ「発生主義」という会計主義で受けられる控除ですが、ただ少なくとも・・一応税務上での複式簿記は「
発生主義」で! が、前提となっているようですので〜 (おそらく会計基準上でも)
特別・故意に「現金主義による・・・ 」を適用しない限りは、複式簿記を採用しての青色申告 = 65万円の控除対象 と、お考え下さい。(もちろん青色申告やこれら控除の適用には事前の届出等が必要です。それとあわせ、青色申告についての詳しく・注意点等は
⇒ 青色申告 別途こちらにて)
ただなんだか腹式呼吸みたいだな〜 とか言っている場合ではありませんよ〜。
なんと! お小遣い帳が高級家計簿クラスまでレベルアップした程度ではありません! 足し算引き算の授業が、いきなり因数分解クラスの授業に豹変するくらいのレベルアップ度!(←例えが分かり難い)
・・・とまあいきなりビビッてしまいそうなプロローグでしたが、
しかしイメージが掴めて、後は申告ソフトさえあれば深く考えなくても大丈夫かと ^^
イメージ的には、、
@仕訳帳の管理
先ずは仕訳帳(仕訳日記帳)へお金の流れ(取引)を「借方」「貸方」に分けて仕訳していき、「貸方」と「借方」の金額バランスを常に完全一致するように記入していきます。
「借方」と「貸方」のワンセットでひとつの取引という事になります。
・・・で、「借方」「貸方」の記入には一定の決まりがあり、、
- ・「借方」は常に帳簿の左側に位置し、資産の増加・資本の減少・負債の減少・発生する費用を記入していきます。
- ・「貸方」は常に帳簿の右側に位置し、資産の減少・資本の増加・負債の増加・発生する収益を記入していきます。
なんだか難しそうな説明になってきましたが、
右側の貸方が「出す・減る物」、左側の借方が「入る、増える物」・・・と考えると、なんとなく分かりやすいかもしれません ^^
例) 上記表から・・・
1/4の仕訳では、口座預金を減らして、通信費を払った(得た)。
1/7の仕訳では、売掛金を減らして、口座に報酬が増えた。
1/23の仕訳では、売上高(貰える予定の報酬額の数字)が現金に変わった。(売上高が減り、現金が増えた)
ちなみに・・
「通信費」や「売上高」といった項目は「勘定科目」と言い、取引、資産の増減、金銭の流れを、、帳簿上ではこの「勘定科目」という形式名称を使って仕訳を行います。
なおこの勘定科目を大きく分類すると、「資産」「負債」「資本」「収益」「費用」の5つの要素にグループ分けされ、
- ・資産 ・・・ なんとなくイメージ出来そうかもしれませんが、事業上の財産となる物です。現金や事業用の商品、備品、建物、売掛金などが資産になります。(売掛金は未回収の状態ですが、有価証券と同じイメージです)
- ・負債 ・・・ これもイメージしやすいですね〜。商品を仕入れた時の買掛金や未払金、こちらが発行した手形、借入金などが該当します。
- ・資本 ・・・ 難しく説明すると難しいので・・・。資本金です ^^
- ・収益 ・・・ これがないと、事業を頑張っている意味がないですからね〜。売上や雑収入、資産売却益(資産を売った時に出た利益)など。
- ・費用 ・・・ 事業には欠かせない出費です。必要経費がこれに当たります。
とまあこんな感じで覚えておきましょう。
A元帳などへの転記作業
仕訳帳に記入した記録をもとに、「総勘定元帳」や「補助簿」に転記していきます。
- ・総勘定元帳 ・・・ 勘定項目ごとにまとめた帳簿。ちなみに仕訳帳と総勘定元帳は「主要簿」と呼ばれています。
- ・補助簿 ・・・ 総勘定元帳をさらに細かく記入した帳簿。売掛金の補助簿(補助元帳)では、売掛先(取引先)ごとに帳簿に記入していく。現金や預金の流れを把握する為には現金出納帳・預金出納帳と呼ばれる補助記入帳が使われます。
B後はこれらの繰り返し
以上の記帳を、取引が発生するごとに帳簿へ記帳していきます。
C決算(年度末)
そして年度末(いわゆる決算月)には、記録を積み重ねてきた各帳簿をもとに「賃借対照表」と「損益計算書」というものを作成します。
・・・と、こんな感じで。
つづく。(⇒ 複式簿記そのA。補足編)