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売上値引、売上返品

読み方

うりあげねびき、うりあげへんぴん。

概要

販売した商品の欠陥やクレーム等で、値引きしたり、返品してもらった場合に用いる勘定科目。 「売上返品」を 「売上戻り」とも言います。

該当する主な対象

売上値引 → 発送した商品が破損していたり、不良箇所があったり、商品代金を「値引き」として解決処理する場合に用いる。

売上返品 → 商品の発送ミスや、破損・不良・キャンセル等によって商品が返品された場合に用いる。

注意点

・売り上げた商品の値引きや返品処理では、「売上値引」「売上返品」の勘定科目を用いずに、「売上高」の逆仕訳によって処理する事も可能です。 (以下の仕訳例を参照) ただそう処理してしまった場合には、経営上必要なデータの管理性(返品や欠損などがどれくらいあったか〜 等、経営管理に役立てるデータ) に欠ける場合も多く考えられますので、出来る限りそういった逆仕訳はしない方が望ましいとも。 (税法的には、どちらでも税額に変わりはないので問題はないです)

・類似する勘定科目で 「売上割戻し」という科目がありますが、これは、取引先の大量注文等に対して謝礼の意味を込めて支払うバックマージン(リベート)を管理するための勘定科目です。 ただ結果的には値引きと同じなので、これらについても「売上値引」と同じ形式で仕訳を行います。

消費税の課税取扱い(区分) 

課税 (売上げ時が課税取引であれば、原則課税)。

※ なお、課税事業者(当期)の方が、免税事業者の期中に売り上げた「売上高」を当期において値引き、及び返品をする場合には、免税事業者の期中の売上げでは消費税を計上していませんので、課税事業者である当期においても税抜き処理は行わないはず・・・。 (あくまでも、私個人の見解です ^^)

仕訳例(仕分け例)

@商品が売れました!

借方 貸方 摘要
現金 50,000円 売上高 50,000円 商品の販売

A不良品であったために、商品が返却されました・・・。 (仕訳方法パターン1

借方 貸方 摘要
売上返品 50,000円 現金 50,000円 商品の返品
もしくは

A不良品であったために、商品が返却されました・・・。 (仕訳方法パターン2

借方 貸方 摘要
売上高 50,000円 現金 50,000円 商品の返品
 
 仕訳方法パターン2については、いわゆる逆仕訳を使っての仕訳になります。 → ちなみに逆仕訳についてはこちらにて

@商品が売れました!

借方 貸方 摘要
現金 50,000円 売上高 50,000円 商品の販売

A故障箇所があったので、1割ほど値引きしました・・・。 (仕訳方法パターン1

借方 貸方 摘要
売上値引 5,000円 現金 5,000円 商品の値引き
もしくは

A故障箇所があったので、1割ほど値引きしました・・・。 (仕訳方法パターン2

借方 貸方 摘要
売上高 5,000円 現金 5,000円 商品の値引き
 
 消費税の税抜き経理の場合には、「仮受消費税」はどちらの場合も逆仕訳! (「仮受消費税」を借方で処理する事により、一旦 仮受していた消費税分を控除(返還)する形になります)
 
 商品の返品時に、返品に係る送料を当方で負担する事になった場合には、着払い送料は「荷造運賃」にて処理します。

以上参考までに。
(※ なお、これら仕訳例、及び勘定科目各概要は主に個人事業者を対象としたものとお考え下さい(一応当サイトでは、法人仕訳等には触れておりません)。 また上記例は一般的なごく一例です。 それと消費税に関しては税込経理としての仕訳としております)

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個人事業でよく使われる勘定科目を仕訳例とともに一覧にしてみました(個人事業向け)。
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