SOHO確定申告ガイド

TOP PAGE > ローン・クレジット >

銀行ローン(融資) /借入金勘定

銀行や信金などから資金借入(融資)を行った場合には、流動負債の「借入金」という勘定科目を使います。

※ 尚ここ最近では、ネット契約での資金融資や、やや特殊なショッピングローン等・・・ 融資や分割払い方法も多様化してきており、ココで言う銀行借入以外にもこれら「借入金」として扱われよう形の種も多く考えられますので、特に何かしらの物品購入目的にて資金融資等を受けられよう場合には、先ずはその契約におけるその融資の特徴などのご確認を。(⇒ 借入金に該当するかどうか、簡易チェック

借入金の取扱い等

返済期間が1年以上の「借入金」を「長期借入金」、

返済期間が1年未満のものを「短期借入金」という区分けもありますが、

自動車の購入資金の単発な借入程度であれば、また個人事業規模であれば、単に「借入金」として仕訳を行っても問題ないでしょう。

 ※ 税務署や税理士によって色々と意見が分かれるようですが、長期と短期を使い分ける事により、経営状況を把握しやすく・・・という意味合いの方が強いようです。

また自宅兼事務所など、

事業上それほど重要ではない立ち位置にある融資に関しましても、

普通に借入金勘定で問題ないでしょう。

銀行ローンの特徴

信販系のクレジットと違い、保証人の代わりに「保証料」が別途必要な場合が多いです。(保証料は金利に含まれる場合も)

また金融機関によって返済プランや諸費用が異なり、月々返済時の金利手数料分を経費計上する為には、返済プランの明細が必須かと思われます。(こういった明細は、おおよそ契約後に自宅へ送られてくるはずです)

※ 銀行借入の返済プランは、

月々の返済額が一定の「元利均等返済」や、

月々の返済額が減少する「元金均等返済」などが一般的です。

※  銀行借入シュミレーションなら、こちら ↓ が参考になると思います ^^

http://www.miya-shoko.or.jp/interest/interest.html

http://www.vector.co.jp/vpack/filearea/winnt/business/kinri/

※ 支払う金利分は、一般的に「利息」という表記を用いられます。

 主な金融機関 ・・・ 銀行、信用金庫、信用組合、労働金庫、農協(JA)など。

保証料の取扱い

銀行借入では「連帯保証人」が必要ないかわりに、「保証料」を支払って信用保証会社の「返済保証」を受ける条件契約が一般的です。

 ※ 借入後に契約者が返済不能になった場合には、「信用保証会社」が契約者に代わって借入金を返済する仕組みになっています。

この保証料は借入時に一括して支払うのが基本で、

借入希望額に加算して借入するか()、現金で支払うかのどちらかになるでしょう。

  保証料は、借入金から差し引かれて融資されるか、(その分元金が増える) もしくはいくらか金利が上乗せされるのが一般的です。(上乗せの金利分が保証料に相当)


Q. 「保証料」は必要経費になりますか?

A. 資金借入の為に必要な費用なので、もちろん必要経費になります ^v^)ノ

但しっ!

支払った年度にいきなり全額が必要経費になるわけではありません!

これは返済期間に従って役務の提供を行う「保険」のような費用である事から、

いまだ役務の提供を受けていない部分(前もって支払った対価)は「前払費用」として一旦資産計上する必要があります。

 前払費用について詳しくは・・・ 前払金・前払費用 をご参照下さい。

つまり必要経費として認められるのは、当年度(当期)に役務の提供を受ける対価の部分のみで、

来期以降に役務の提供を受ける対価の予定部分は「前払費用」、もしくは「長期前払費用」として資産計上しておく必要がある・・・ という事です ^^

 なお金利上乗せのタイプのケースでは、毎月支払う利息の一部がその保証料に相当すると考えられますので、毎月の仕訳の「利子割引料」に含みで経費計上されているものとしてお考えください。(保証料分だけ別途仕訳などする必要はありません)

@ 銀行借入時

借方 貸方 摘要
普通預金 950,000 借入金 1,000,000 ---
支払手数料 10,000   保証料
前払費用 10,000   保証料の資産計上
長期前払費用 30,000   保証料の資産計上

※ 100万円を銀行から借入し、保証料50,000円を差し引かれた95万円が事業用通帳に振り込まれました。(返済期間は期首の1月から5年間)

支払日から当年度内に役務の提供を受ける保証料部分を「支払手数料」として費用計上、(保証料50,000円の内、当期に役務の提供を受ける費用分)

決算日の翌日から1年以内に役務の提供を受ける保証料部分を「前払費用」、(保証料50.000円の内、決算日の翌日から1年以内に役務の提供を受ける費用分(⇒ 翌年度分))

決算日の翌日から1年以上後に役務の提供を受ける保証料部分は「長期前払費用」として資産計上。(保証料50,000円の内、決算日の翌日から1年以上後に役務の提供を受ける費用(⇒ 翌々年度以降分))

A 翌年度の期首

借方 貸方 摘要
支払手数料 10,000 前払費用 10,000 当年度分の保証料

※ 前払費用を必要経費へ!

B 翌年度の期末(決算日)

借方 貸方 摘要
前払費用 10,000 長期前払費用 10,000 ---

※ 長期前払費用を前払費用へ振り替える!(翌年度に必要経費になる分)

後は以上の仕訳を繰り返して、返済期間でもある5年に渡って必要経費に計上していきます ^-^)/

その他仕訳例

その他、銀行借入の際によく使われそうな仕訳も集めてみました ^^

 印紙代

融資契約の際に必要となる印紙代。

借方 貸方 摘要
租税公課 400 現金 400 契約に関する印紙代

 事務手数料

事務手数料の支払い

借方 貸方 摘要
支払手数料 2,100 現金 2,100 ---

※ 金融機関によっては、手続きの諸費用として必要な場合も。

 月々の返済

月々のローン返済

借方 貸方 摘要
借入金 36,000 普通預金 40,000 ---
利子割引料 2,000   ---
事業主貸 2,000   ---

※ 家事按分50%の場合。

※ 返済は月々4万円で、内、4,000円が金利手数料(利息)。 (内約は、契約後に別途送付される明細書等をご確認ください)

※ SOHO・個人事業の方で、比較的利用の多い自動車ローン(マイカーローン)の借入時に発生する複合仕訳は、「自動車購入時の仕訳・応用編」 をご参照下さい \(^o^)/

とまあこんな感じで、以上、皆様のお役に立つ部分御座いましたら幸いです。

テーマ
ローン・クレジット

絡んで来るとややこしいが、覚えれば簡単!
テーマ INDEX

(C) 佐田会計 確定申告会