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LAST UPDATE: 2015/5

消費税の仕訳。税込経理/税抜経理

課税事業者となれば〜 各届出やら事前準備だけでなく、課税期間にはもちろん実務も増えてまいります。 ただ昨今では会計ソフトのシェアも増し、設定さえ間違えてなければ 消費税の仕訳も以前に比べれば随分と楽になっておりますので、まあそれほど難しく考えなくともいいでしょう。

税込経理と税抜経理(税別経理)

先ず消費税の仕訳方法には 「税込経理」と 「税抜経理」の2種類の選択岐があり、そして実務前にはこれらどちらかを選び、以後はそのルールに沿っての仕訳となります。

ちなみにこれらどちらをチョイスするかは事業主の自由。 お好きな方をチョイスしてイザ実務ライフへ。 (← 意味なし) また年度毎に経理方式を変更しても問題はないようで、ただ、、 年度毎でこれら方式を変更するにはかなり手間ヒマが必要となり、かつ会計原則では 「一貫性・継続性」が重要となりますので(頻繁に変更する事は望ましくなく、もちろん頻度が目立てば〜 手間ヒマどころか場合によっては税務署から目を付けられる可能性も?)、、 出来ればよほどのことがない限り、これら方式の変更には手を出されない方がベリーマストかと。

 税込経理

全ての取引きにおいて税込で記帳していく方式。 仕訳の都度消費税を振り分ける必要がなく、とても取っ付きやすい方式かと。

また決算仕訳をしなくてもいい--- といった点もけっこうな利点かな(任意)。 他の決算処理では基本 確定申告前から正確な確定した消費税の額を把握する必要があるが、決算仕訳がなければ確定申告まで税額の事一切考えなくてもいいですから。。

ただ仕訳が単純な分 課税取引きと非課税取引きなどの区分でミスが起きやすくなり(特に会計ソフトを使われている場合、非課税取引きを非課税扱いとするのを忘れて、、 みたいな)、また何かしらの選択岐も税込が基準となるため、若干税抜方式に比べ税額面で不利になったりも(例@: 減価償却資産か一括経費か、、 等(税込10万円の備品購入の場合、税抜経理だと基準も税抜92,592円 → 一括経費。 しかし税込経理だと基準も税込10万円となり → 減価償却資産。 みたいな)。 例A: 所得税の確定申告時にも全て税込となるため、一応税込経理の場合のみ消費税の損金算入は認められているものの〜 損金算入のタイミングによっては税額に影響が出て来る場合も。。 (利益が小さい時よりも利益の大きい時の方が〜 経費効果は高いですから))。

但し、そうかと言っても、税抜に比べ所得等の額が大きくなるパターンは、考えようによってはそれがメリットとなる事もあるかな?

 税抜経理

商品や備品等を購入し、消費税を支払った取引の場合には 「仮払消費税」、商品や製品等を販売し、消費税を預かった取引の場合には 「仮受消費税」、、 といった具合に、文字通り、全ての取引きにおいて(課税取引のみ)消費税を分けて仕訳を行っていく方式。

無論手間はかかるが、税額面上有利となるパターンは多く、また純利益を把握しやすいなど経営管理をするにも非常に有効性が高く、まあ出来ればこちらの方式の方をスタンダードとして考えておきたいものかと。

 ちなみに私は税込経理派です。

注意事項やその他

消費税の課税事業者には〜 一定の帳簿・記帳記録 & 保存の義務が御座います。 (https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6621.htm 国税庁HP) 予め十分お見知り置きなどのほどを。

それと本則課税(原則課税)には税抜経理、簡易課税には税込経理〜 等と言った定形的表現が存在するようですが、しかしこれらに関しては必ずしもこうでなくとも問題はなく、本則課税でも税込経理、簡易課税でも税抜経理を採用する事は可能ですので、一応これらも予め。 (なおこういった定形的表現が存在するのは、簡易課税においては預り消費税しかからんできませんので、手書き帳簿全盛期時代では仕訳処理であまり手間のかからない税込経理が好まれていた、、 また税抜経理だと申告時などに消費税が明確に把握しやすいため、本則課税にとってはそちらの方が都合がいい、、 等といった背景からのようですね。 ただそうかと言っても、こういった定形的表現は十分理にかなっている点は多く、まあこの辺りは定番的手段と そう考えられておいても問題はないでしょう)

ちなみに一般的には税込なら全て税込。 税抜なら全て税抜の仕訳処理、、 となるのですが、しかし一応イレギュラーながらもこれら税込と税抜を混在させてもいいルールなんてのもあるようで、もしご興味あればそちらもご参照などされてみてはいかがでしょうか。 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6909.htm (国税庁HP)

  日頃の会計処理をしていると、、 「この取引・仕訳は課税取引? 非課税取引?それとも不課税?」等と思う事もあるかもしれません。 ちなみに当サイトの 「勘定科目辞典(勘定科目一覧)」では、日常的な取引の中で出やすい 「課税取引」・「非課税取引」等も含めて解説しておりますので、日常業務の今後の消費税仕訳の参考などとしてもご活用頂ければ幸いです <(_ _)>

以上各ご参考などまでに。


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